大学満喫2

 そして、昼休みには赤司君と薬学部の女子数人とその内物珍しそうに見ていた男子数人が加わり、一緒に食べるようになった。経済学部で良い友達見つけろっていったのに、赤司君に「する必要はない」と一蹴された。この人は…。薬学部の友達は、あんまりきゃぴきゃぴしてない子達だったので、そこまで人間関係がごちゃごちゃにならず、平穏に昼休みをすごしている。…しかし何故有名人なのかずっと疑問に思っていたが、最近友人に教えてもらった。(え、知らなかったの!?って言われた)アカシ君は赤司という苗字だった。その苗字には見覚えがある。凄い、大手企業の名前だった気がする。私はずっと赤司君の事を、明石かなぁ?と某タレントの苗字で認識していたのだ。その事を赤司君に言ったら、ツボに入ったように、ぷるぷるしながら笑われた。(貴重な赤司君の爆笑シーン)

 後私と赤司君はサークルに入っていないので、いつも一緒に駅まで帰っている。サークルに入ってない人はあまりいないので、帰る際、棘の目線はあまりない。しかし、どうして一緒に帰る事になったのやら。

「授業はどうだ?」
「すごく楽しいよ、それに勉強していってると、凄い夢に近づいてるなーって実感するの!」
「また『夢』か」
「それしか今頭にないっていうか、自分に自信持てるようになりたいしね」

 赤司君はふうんと呟いた。そして私の方に向けていた顔を、歩く方向に向けた。何だか、いつもより、つっけんどんな態度を取られた気がする。

「赤司君だって…ちゃんと目標があって勉強してるんでしょう?」
「まぁね」
「会社継ぐとか大変そうだね、私は誰かの下で働くとかでいいや」
「だろうな」
「あはは」

 リーダーになる器ではない私。縁の下の力持ちタイプなのだ。それに対して赤司君は確実にリーダータイプだ。勉強凄いし、(成績表見せてもらったらびっくりした)人に対する指示も的確だし、人が自然と集まってきてるし、凄い。尊敬してしまう。
 だけども、その影にはあまり人の知らない努力とかあるんだろうな。そう思った私は、ついそれを言葉に出してしまった。

「あの、赤司君、あんまり無理しないでね、成績トップ維持するとか、大変でしょ?」
「…いや…」
「嘘だー、だって誰だって凄い努力を続けるって難しいよ、赤司君は頑張り屋なんだね」
「……そういう訳じゃない」

 赤司君は珍しく、言葉を詰まらせていた。

「今度の試験も体に気をつけて勉強するんだよ、熱でも出したら看病にいっちゃうからね?」

 慌てて冗談を言ってみると、「それも悪くないな」と、いつものように上品に彼は笑った。

**

 そして、また大きな試験が終わった頃、赤司君は学校を初めて休んだ。熱を出したのだ。私もその日、学校まで来たのにも関わらず、それを聞いて学校をさぼってしまった。(授業のノートは頼んである)
 …赤司君の家を男の子達から教えてもらい、私は単身、彼の住んでいるマンションまで来たのだ。看病の為に。

「赤司君ーです、、ごめんね起こしちゃって」

 マンションの玄関から呼び出すと、彼は居留守せずに応えてくれた。メールしておいて良かった。返事は無かったけど、見ておいてくれたみたい。呆れたように、本当に来たのか…。とか言われたけども。まさか、本当に起こってしまうとは思わなかったよ、私だって。
 オートロックを通され、エレベーターにのって部屋番号を確認して、ドアをノックすると、部屋の扉をあけた。

「えっこれ男の子の部屋…?」
「第一声が…それか」

 何この整頓された廊下に清潔な感じの部屋!もっとこう、色んなものがごちゃっとしてると思ったのに、少し残念に思ってしまった。というか赤司君が起きてきてしまった。パジャマを着ている。顔が赤い。後辛そうなのに平気そうな顔をしているような。とりあえず私は、慌てて布団に戻って!と赤司君の背中を押した。 
布団を被させると、正座して顔を覗き込む。(和室だった)

「朝食べた?食べてなかったら、何か少し食べよう?何食べたい?」
「…授業が大事じゃ無かったのか?…戻った方がいい」
「私の事心配してるの?赤司君らしくない、…たまに皆だって休んでるから、私だっていいかなーって思って来たの、ノートも頼んであるし、大丈夫!」
「大丈夫じゃないだろう、そんな心持でいいのか?」
「赤司君の事が心配だったから仕方ない、何だか授業を受けても集中できないと思ったし」

 赤司君は、よほど私が授業馬鹿だと思っているのだろうか。むっとした顔で彼の質問に正直に答えると、「で、朝食べた?」と無視された質問をもう一度いう。
 彼は目を私から逸らすと、小さく「食べてない」と言った。

「何なら食べれそう?てか何食べたい?お菓子とかスポドリとか…後好きだっていってた豆腐も買ってきたけど」

 彼は「豆腐」にびくっと反応した。

「よし湯豆腐を作ろう」


赤司君と大学2。
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